
分離不安とは、犬が飼い主と離れることで極度に不安を感じ、問題行動を起こしてしまう病気です。
実際に分離不安症と病名を付けられているれっきとした病気で、大きなストレスにもなってしまいます。
「うちの犬は寂しがり屋で、留守番ができない」と考えている人は、それは分離不安の可能性があります。
目次
犬の分離不安の症状
問題行動を起こす
例えば飼い主の留守中に粗相をしていたり家具などを破壊しているのが続く場合、それは分離不安のを疑ったほうが良いかもしれません。
また、ずっと鳴き続けるのも症状のひとつです。
このようなことが続くと、犬はもちろん飼い主にとっても大きなストレスとなります。
体調不良になる
飼い主と離れることによるストレスで、下痢や嘔吐など体調不良が見られます。
ほかにも食欲がないなどの症状が現れるため、早めに対処が必要になるでしょう。
飼い主の帰宅時に異常に興奮をする
飼い主が帰ってきたときに犬が異常に興奮するのも、症状のひとつです。
また、家の中で常に飼い主に付いてくるのも要注意です。
飼い主と離れられなくなってしまっているため、もし離れてしまうと大きなストレスになってしまいます。
ストレスを行動に移す
飼い主が外出の準備をしている最中、犬が自分の身体を頻繁に舐めていたり、尻尾を追いかけまわしているなどの行動をしているときはありませんか?
つまり犬のストレスが原因と考えられる行動をしているときは、分離不安の初期症状とも言えるでしょう。
原因は、ほとんどの場合飼い主にあります。
例えば外出するときに犬を思い切り可愛がりながら「ちゃんと留守番しててね!行ってきます!」などと声をかけたり、帰宅時も「ただいまー!おりこうにしてた?」などと元気よく声をかけてしまう行為。
これこそが、分離不安の原因なのです。
生活環境が変わった
引っ越しなどで生活環境が変わることによるストレスが原因となることがあります。
生活環境が変わるまではなんともなかったと感じる人は、それが原因になっているのかもしれません。
いままでと環境が変わってしまうと、飼い主と離れることが急に不安に感じてしまうものです。
そのため、もしも引っ越しなどの予定がある人は、犬のストレスにも気を遣ってあげてください。
犬の分離不安の対策・治療方法
外出するフリをする
飼い主が外出の準備をしているだけで落ち着かなくなってしまいことがあり、それもストレスの原因になってしまいます。
そのため外出の準備をし、実際には外出をしないことだけでも改善に繋がります。
犬を無視する
帰宅したときは、どうしても犬のことを構いたくなります。
しかしそこで構ってしまうことこそが原因となってしまいます。
対策としては、帰宅して服を着替えて、手洗いうがいをし、飼い主がある程度落ち着いてから犬を構うようにします。
だいたい20~30分程度は自分のペースで行動すると良いでしょう。
そうすることで、極度の興奮状態になりづらくなることが期待できます。
また、日頃から犬を甘やかしていたり、構いすぎていることも良くありません。
犬にはアメとムチを意識し、お互いのペースで生活することも大切です。
投薬治療
上記2点の行動療法以外に、投薬治療を並行して行います。
不安をコントロールする薬を投薬します。
しかし、この薬はあくまで犬の精神を安定させるだけの薬ですので、実際には行動療法で治療を行うことになります。